第16回
九州漢点字学習者交流会(福岡大会)
報告

◆はじめに◆

平成19年10月7日(日)、8日(月)の二日間にわたり、福岡市内のセントラルホテルフクオカを会場に、第16回九州漢点字学習者交流会(福岡大会)が開催されました。

この集会は、漢点字、漢字およびパソコンの学習を通して、視覚障害者の新たな文字文化を構築し、その向上・発展を図るとともに、参加者相互の親睦を深めることを目的に、毎年催されているものです。

これまでは九州地区で活動しておられる、大分、熊本、長崎の三つの漢点字研究会が交替で主催してこられましたが、平成17年11月、新たに福岡漢点字研究会が発足いたしましたので、今年初めて、私ども福岡県の主催で開催される運びとなりました。

何分、福岡の研究会は人数も少なく、学習会等の活動もいまだ軌道に乗らない状況でしたので、今回仰せつかった大役を本当に全うできるものか、小山田稔会長ともども、大きな不安を抱えてのスタートでしたが、幸い、各県の皆様から温かいご支援をいただき、財政面においても、各県、また有志の方々よりのご援助を賜り、お蔭をもちまして盛会裏に交流会を終えることができました。

ここに感謝をもって交流会の概要をご報告いたします。

◆開会◆

10月7日、好天に恵まれ、参加者の皆様全員順調に到着され、予定通り午後1時半に開会いたしました。

最初に、交流会の前日、10月6日に逝去された浦口明洋氏と、7月29日に亡くなられた宮本鋼五氏のために全員で黙祷いたしました。

続いて代表挨拶の後全員の自己紹介を行ないました。今回は大阪八点会からも4人の方のご参加をいただいた他、名古屋と高知からも講師をお迎えし、会員、付き添い、ボランティアを含め、40名の方々がご参加くださいました。

◆研修1◆

午後2時より、高知システム開発の田中昭人(あきと)様と、名古屋より日本漢点字協会評議員の平瀬徹様をお迎えして、「PCTalkerVista/PCTalkerXP Ver3.0 を利用した情報活用と漢点字活用」というテーマのもとに、第1回目の研修が行なわれました。

初めに平瀬様より「漢点字に関する高知システム開発様と日本漢点字協会との協調関係」と題して、漢点字・六点漢字両対応の KTOS の開発と、最新版 PCTalkerVista/PCTalkerXP への搭載に至る経緯をご説明いただきました。

続いて田中様より、最新版 KTOS の特徴と実際の操作について、デモンストレーションを交えて詳しくご解説いただきました。
田中様は、高知システム開発における点字関連の開発をご担当とのことで、KTOS の各種設定、六点・八点の切り換え、点字キー周辺コマンド、単語入力の使い方、ピンディスプレイ表示など、全般にわたって、わかりやすくご説明くださいました。

後半は、発売直前の音声ブラウザ「ネットリーダー」について、デモンストレーションを交えてご紹介いただきました。
ユーザからの多くの要望を取り入れ、新しいアイディアも多数盛り込んだ新しいブラウザは、複雑かつ多様化しているインターネットの各種コンテンツを、音声とキーボードを頼りに、可能な限り易しく操作できるよう、様々な工夫がなされた、まさに時宜にかなったソフトだと感じさせられました。

◆休憩◆

この他、村尾電子制の「ぽつぽつ君/USB」と、ニュー・ブレイル・システム製の「WinBRL」のご紹介も準備しておりましたが、時間切れでご紹介できなかったため、ぽつぽつ君/USB については、休憩時間に皆さんに触っていただきました。
これら二つの漢点字入力システムの特徴は、どちらも片手入力をサポートしている点と、殊にぽつぽつ君/USB はハードウェアであるため、点字入力のできないキーボードを持つパソコンでも点字入力、漢点字入力を可能にするという点です。

◆研修2◆

休憩を挟んで第2回目の研修は、「高等盲学校における国語科授業の現状」と題して、福岡高等盲学校高等部の国語教輸として教鞭を執っておられる遠藤精近(あきちか)先生にご講演いただきました。

前半では、福岡高等盲学校について、また、普通科の教員と生徒の現状について説明され、後半では、担当されている国語の授業における漢字教育の工夫について詳しくお話しくださいました。

先生は、生徒になるべく漢字を意識させるように授業を進められ、

など、様々な取り組みをされているとお話しくださいました。
講演後、数名の参加者から、ご自身の体験を交えつつ、漢字学習の大切さと、パソコンと漢点字により自分の世界が拡がったことへの喜びとが語られました。

◆懇親会◆

夕食は恒例の懇親会でした。乾杯の後、しばし食事と歓談の時を過ごし、後半は、これも恒例となった各地区からの出し物を楽しみました。漢点字ならではのクイズや替え歌、カラオケも飛び出し、大いに盛り上がりました

◆研修3◆

10月8日、二日目は9時より、第3回目の研修として、漢点字テキスト輪読会が行なわれました。今年は白川静ブームに因んで、山本史也著『神さまがくれた漢字たち』(理論社)をテキストとしました。
輪読会テキストとしては少々難しかったかと反省しておりますが、後々の漢点字学習の参考資料としては、それなりに意義ある資料になったのではないかと思っております。原本からの抜粋版ですが、漢点字版冊子をご希望の方には実費(500円)でお分けいたしますので、藤川までお申し付けください。

◆協議◆

休憩を挟み、大分漢点字研究会の久賀一二会長の司会で、協議の時間がもたれました。

最初に、次回主催県と日程について話し合われ、平成20年度は11月2日(土)、3日(日)の両日、熊本県を主催県として交流会を開催することが決議されました。

続いて平瀬様より、「日本漢点字協会評議員会を終えて」と題して、本年8月、京都ライトハウスにおいて行なわれた日本漢点字協会評議員会のご報告をうかがいました。

協会の現状について、会員の減少、関係者の高齢化、財政面、通信面で直面している困難等、様々な問題を抱えていることが伝えられました。

次に記号検討委員会での審議内容についてもお話しくださいましたが、これについては、日本漢点字協会から配布される資料に譲ります。平瀬様からは特に、新しい KTOS がカタカナ開きの記号に対応したことと、村尾電子製の漢点字編集ソフト OpwBE では読み物記号に正式に対応している事が報告されました。

平瀬様の報告を受けて、著作権の問題、記号に関する技術的な問題等、幾つかの質疑応答の後、これらの経緯を踏まえて、今後は日本漢点字協会を中心に、漢点字の普及と発展を希求し、漢点字協会を支えていくべきではないかという提起がなされました。

残りの時間、自由に意見交換を行ない、

などについて話し合われました。

◆閉会◆

最後に、次年度主催県である熊本漢点字研究会の阪本喜代子会長からご挨拶をいただき、二日間にわたる研修と協議、また親睦の時を終えました。

◆おわりに◆

交流会開催のため、様々な形でご支援、ご指導、ご助言くださいました、各県会員の皆様、また、大阪八点会をはじめ、遠路ご参加くださいました皆様、貴重な時間を割いてご準備くださり、研修の講師をお務めくださった皆様方に、心からの感謝を申し上げます。

これをもちまして、拙い報告を終わらせていただきます。

漢点字の普及と記号の標準化、その中心としての日本漢点字協会のご発展を心から祈念いたしております。

福岡漢点字研究会 藤川敦志

◆関連リンク◆

上記報告に掲載の各団体、各製品に関連したリンクをまとめました。すべて別ウィンドウで開きます。

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